2015年1月7日水曜日

Blc. Greenwich "Elmhurst" AM/AOS


Blc. Greenwich "Elmhurst" AM/AOS
撮影 5/6/2012



Blc. Greenwich "Elmhurst" AM/AOS
撮影 5/6/2012

1茎2輪、 14.0cm x 15.0cm


カトレヤ グリーンウィッチ ”エルムハースト”

グリーンウィッチ・ グリーンハーストはグリーン系の名花。鮮やかなグリーンが特徴で、
リップの縁をくっきりとした濃赤紫色が彩る。
咲き始めは美しいイエロー・グリーンで、時が経つにつれて黄色が強くなる。
花型は堂々として大きく開平、爽やかな香りも好もしい。
米国蘭協会(SOA)の入賞花(AM/AOS).


雑記

購入株は1茎が2輪の花付きで、綺麗なグリーン花が咲き続いてくれた。実は二茎に
花が上がっていたようで、花茎を切り取った跡が確認できた。二茎4輪ならさぞ豪華だったろうな
などと考えたが、それでは高価すぎて手を出すこともなかったろうななどと考えていたことを思い出す。
ところでこのグリーン・カトレヤ、買う前にちょっと気になることが二つあったので参考まで。

園芸売り場には同株が二鉢あり、もう一つの株は1,000円安くて花落株置き場
にあった。バルブもしわくちゃだった。花が終わってから水がもらえずに
しわがよった様だった。これくらいのしわの回復は問題ないし、1,000円安いのは魅力的、と
迷ったことがその一。結局家内の花がなければ綺麗でない、という至極ごもっともな
ロジックに圧倒されてこちらの株を選んだのだった。

実は園芸売り場には同株が二鉢あって、もう一つの株は1,000円安くて花落株置き場
にあり、おまけにバルブがしわくちゃだった。花が終わってから水がもらえずに
しわがよったものと思われた。この程度のしわの回復は問題ないし、1,000円も安いのは
魅力的、と迷ったことがその一。花がなければ綺麗でないという至極ごもっともな家内のロジックに負かされてこちらの花付き株を選んだのだった。

いま一つ気になったのが両株とも大型化粧鉢に植えられていたこと。株の大きさに
見合ったサイズではあるし、表面に化粧砂のように新品バークが置かれていた。
どんなコンポスト状態で育てられたのだろうかとちょっと考えたことを思い出す。
これはもう本能みたいなもので、展示会を見に行っても、花とコンポストへの関心は
五分五分以上の割でコンポストの状態に興味が向く。この株の場合も、
開けてみないと分からないが、結構なお値段で園芸売り場に並べるなら素焼鉢や
プラスチック鉢よりも陶器の化粧鉢で飾りたくなるんだろうなと納得した。

6月に入って暖かくなったし花期も終わったので、グリーン・カトレヤの根っこを
覗きたくなった。水苔の固植え株を化粧鉢に詰め込み、表面には新品バークを載せる
という、あるまじき展示用お化粧がされること無きにしも非ず、と思っていたからだ。
それと新芽の動きがないのは良いとしても、バルブにしわがより始めているのは
気になった。根腐れの可能性ありと直感したからだ。

ということで、開けてびっくり。直感は図星だった。 殆ど全ての根が
ぶよぶよになっている。つい先月まで美しい花を咲かせていたことが
奇跡のような状況だった。悲しいのはこれらの根が最近まで申し分なく
元気だったことがすぐに見て取れることだ。


傷んだ根を少しづつ外していくと色々なことが見えてきた。
まず、この株はメリクロン株で、育成は間違いなく丁寧になされてきたこと。
大型株にまで育っているのに関わらず、コミュニティ・ポットの初期バルブが
枯れながらもきちんと残っていたことがそのことを示している。
コンポストはバーク100%、ただし細粒。きっと幼株のときから
同一コンポストで
育成されてきたはずだ。根の張り具合にもプロの冴えが見られる。つまり
計画通りにつぼみが伸び、販売のために化粧鉢に納めるまで
健康そのものの株だったはずなのだ。

おそらく問題はこの株を化粧鉢に植え替えたことから始まっている。
バークの細粒もまずかったかもしれない。育成業者の温室内では最良コンポストだった
ろうが、経験の浅い卸業者に渡って化粧鉢にぎっしり詰めこまれたが、過剰な水遣りのため
うまく水が抜けず、急速に根腐れを起こしたと思われる。豪華な鉢物として居間に飾られる

ことを期待してのことではあろうが、ちょっと方向が違ったためもう少しで枯らすところ
だった。腐れ根を外した株の状態はすさまじかった。葉とバルブは青々と茂っているが
根はまるで山採りの棒根状態で1本も生き根がない。このままでのバーク植えはちょっと
リスクがあるため、想定外だったが素焼き鉢+水苔で根出し養生から始めることにした。
助けられるかもしれないという安堵感と、こんなに痛めつけなくても良いのに

という恨み節の思いが胸に響く。

ところで最初に感じた直感にもやはり意味があった。もう一つの鉢も間違いなく根を

無くしていて、そのためにしわくちゃになっていたのだろう。誰かベテランに拾われて再生過程
にあることを祈る。業者の方々も個々の植物の特性をもう少し理解して欲しい。

それにしてもランの生命力は凄い。縁あって我が家に来たこの株は、
必ず再生させてみせる。 
 6/6/2012  記



追記

ここまで書いてきて今年の世界らん展で同じ経験をしたことを思い出した。台湾業者のブースで
カトレヤを冷やかしていたら、株組み合わせ自由で5,000円と誘いがかかった。サンプルの花も
素敵だし、お値段も買い、と悦に入って持ち帰った。良くある販売パターンだ。
ところが家に持ち帰って植え込み準備を始めたところで大仰天。ミズゴケでの
仮植えだったが3株共、苗も根も完全なぶよぶよで、1本たりとも生き根が無かった。

絵局、3株とも素焼き鉢、ミズゴケで根出し養生するより仕方が無かった。幸い2株は最近新芽を
吹いてきたし、残り1株も根が動いているのを確認したので安心してるが、初心者ならなかなか
厄介な処置だろう。大量の苗を持ち込んでいるわけだから、各地ラン展を巡っては
時間をかけて販売しているのだろうと思われる。その間に何らかの管理不良のため
水のやりすぎがあり、根を腐らせたと思われる。プロのラン屋さんがすることだから
普通は大丈夫なのだが、たまにはこんなこともあるというお話である。

そんなときは慌てず根出し処理をする。腐った根を外して小さめの
素焼き鉢にミズゴケでしっかり植え込む。ぐらぐらするから支柱で固定し、
渇き気味に養生しつつ根が出るのを辛抱強く待つ。バルブがしっかりしてさえ
あれば2,3ヶ月中に根が動き出し、新芽を吹いてくることが多い。
それでも1年か2年は遠回りすることになるのはやむを得ないのだが。
 ご参考までに。    6/7/2012  記


根出し養生の結果報告

棒根状態の大株だったので株の様子を観察お上、とりあえず2株に分割して水苔で植えた。
おまけとしてコミュニティポット・バルブの隣に残っていた小さな1本バルブも
2.5号鉢に植えておいた。バルブは根元から折れているし、葉も萎れかけていて、
普通なら捨ててしまうところだが、ダメもとでとにかく植えておいた。
あれからひと月半経つが、お陰様でどの鉢にも新芽が伸びてきた。
根出し養生成功である。ダメもとで小鉢に植えた小苗の発芽はとりわけうれしかった。
元株を育てた業者の腕が優秀だったから株に力があったのだと納得する。
株を開いたときに通じた直感はやはり間違っていなかったようだ。 7/20/2012  記



雑記

棒根状態の2鉢は取りあえず新芽を一つずつ伸ばしたが、1年目はやはり弱々しい茎
で、花芽を付けるところまではとても無理だったようだ。生き根が一本も無い状態
からのスタートだったから已むを得ないところだろう。もう1年じっくり養生させて来年には立派な
グリーン花を咲かせるぞ! ところで印象として、カトレヤの緑花系と黄色系は茎が柔らかい
というか、くにゃくにゃ曲がって伸びる傾向があるような気がする。必要に応じて
支柱立てに気を配るとか、ちょっとしたコツがあるのかもしれない。   1/04/2013 記

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